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ラクシュミー

ラクシュミーは富と幸運の女神であり、

日本では「吉祥天」として仏教に取り入れられています。現在でもとても人気のある女神です。

美と豊かさと幸運を司ります。神が不死の薬「アムリタ」を作る時、海をかき混ぜた時に生まれました。

両手に幸せの象徴である赤い蓮の花を持ちます。

 

水に浮かぶ連の上に立つ、ヴィシュヌ神の妻です。

ヴィシュヌとラクシュミーは、とても仲の良い夫婦だそうです。

 

ラクシュミーの4本の手は、人生の4つの目的を表しています。

1つ目は、天命や使命であるダルマ。
ヨガの教えでは、他人の役割を完璧に全うするよりも、自分の役割を未熟でいいから自分のダルマを果たすことだと言います。

隣の芝生は青く見えるという諺がありますが、隣の芝生をきれいに刈るのではなく、

大変でもうまく刈れなくても、自分の家の芝生を刈るのが自分の役割だということになります。

 

2つ目は、衣食住の豊かさと繁栄であるアルタです。

自分の使命を果たしつつ、豊かさと繁栄を手にするのが人生の目的の一つとされています。

 

3つ目は、愛と欲望のカーマです。自分自身を愛し、人を愛し、自然を愛することが天命のひとつです。

 

4つ目は、解放のモクシャです。究極の自由であり悟りでもあります。

自分の中の内なるものに静かに耳を傾け悟ることは簡単なことではありませんが、そこに人生があるのだと言われています。

 

ラクシュミーには、アラクシュミーという姉がいます。

ラクシュミーとは正反対の性質で、幸運ではなく不運を司ります。

痩せて醜くロバに乗って現れます。逆境においては、ラクシュミーがアラクシュミーになり、つまり表裏一体ということです。

ラクシュミーは幸運を司るので、移り気な性格。

ラクシュミーがアラクシュミーに変わらぬよう、どんな時でも正しい信仰と礼拝が必要だと言われています。